otomad

音MADに関して適当に。

ピッチシフトか台詞合わせか

 実写系音MADとアニメ系音MADの違いはみたいな話があって、結局その分け方自体が無理あって素材次第だという結論に落ち着いたんですが、その際に不始末さんがアンビエンスという観点を提示されておっなるほどと思いまして、そこから更に考えを進めましてある程度まとまったので以下に。

 アンビエンスというのは空気感や臨場感といった意味なのですが、表現しにくいのでここではアンビエンスが大きいほど指向性が弱く非指向性的でガヤもある、そして小さいほど指向性が強くてガヤも少ないといった感じとします。NHKのアナウンサーがニュースを読むというのは、指向性も強いしガヤもないのでアンビエンスが非常に小さいと言える。

 最初、アンビエンスと素材のピッチの高さでもってまとめようとしたんですが、なかなかうまくいかない。そこで、何がいけないのかと考えまして、結局ピッチシフトと台詞合わせとを対立させるのが間違いだという結論に至りまして、両者のどちらが選ばれるかはどちらの方がまだやりやすいかという消極的選択によるものだと考えると上手くいくと思い、"阻害"という観点でまとめたのが以下。

 基本となるのは以下の3点。
・アンビエンス、非指向性が大きくなるほど"台詞合わせ"を阻害する。
・素材量が少ないほど"台詞合わせ"を阻害する。
・素材のピッチが高いほど"ピッチシフト"を阻害する。(この仮定はきちんと検証する必要性があるかも)

 阻害するというのは文字通りしにくくさせるといった意味で、「"台詞合わせ"を阻害する」とは台詞合わせがしにくくなるので結果としてピッチシフトが選ばれる可能性が大きくなるといった意味です。図にすると以下のような感じ。

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 アンビエンスと素材量は縦軸が一緒なので、アンビエンスを縦軸、素材量を横軸にとってみる。

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 アニメ素材はアンビエンスが小さく、素材量も多いので左上の第二象限に位置し、女性キャラの場合は声が高いのでピッチシフトが阻害されるので台詞合わせを選ぶ傾向が大きくなる。コマンドーのような吹き替えも第二象限に位置するといってよく、声が高いというわけでもないのでピッチシフトが阻害されるわけではなく台詞合わせ、ピッチシフトが両立する。
 松岡修造等々の実写系は、指向性は強くなく素材量も多いのでは右上の第一象限に位置する。アンビエンスが大きいので台詞合わせが阻害されピッチシフトが選ばれる可能性が大きくなる。(レスリングシリーズは空耳に頼っているという点も阻害される要因かも)
 バトルドームといったCM素材はアンビエンスは小さいが(ただCMはBGMがうるさい場合が多いので一考する必要性はあるかも)素材が少ないので第三象限に位置する。この領域では素材量が少ないため台詞合わせしにくいのでピッチシフトが選ばれる可能性が高くなる。
 右下の第四象限にあたる素材はぱっと思いつかなかったんだけど、そもそも素材として選ばれてないのかも。

 まぁ今のところこんなところ。